ドイツが誇る世界屈指の時計メゾン「A.ランゲ&ゾーネ」!壮絶な歴史と定番モデルをご紹介
時計愛好家たちから、唯一パテックフィリップに追随すると言われているA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)。世界5大時計ブランドの一つでもある老舗腕時計メーカーです。これほどまでに高く評価される当ブランドの歴史と魅力、おすすめのモデルをご紹介いたします。
壮絶なA.ランゲ&ゾーネの歴史
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)は1830年にドイツで、アドルフ・ランゲによって創立されました。当ブランドは彼がドイツで著名な時計師ヨハン・フリードリヒ・グートケスのもとで時計づくりを学んだことが始まりです。
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)のバイブル「旅の手帳」
1837年アドルフは、さらなる時計作りへの知識と技術を求め、修行の旅に出ることになりました。彼がたどり着いたのは、フランスパリで最高峰と謳われる、ルイブレゲの弟子であった、ヨゼフ・タデウス・ヴィンネルの工房。彼はヨゼフの工房に入門し、天文学や物理学を学びながら工房の主任へと上り詰めました。
その後も、アドルフの探求心は留まることもなく、イギリスやスイスで最先端の技術を学び、1941年ドイツへ帰国しました。アドルフが3年間の修行で得た技術やアイディアは「旅の手帳」に記されていたと言われています。そして今も尚、「旅の手帳」はA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)のバイブルとして、時計制作に生かされているのです。現在でも腕時計の内部に使用されているムーブメント「3/4プレート」をこの時点で開発していたとも言われています。
ブランドの歴史が途絶えたことも
1863年には、ハートカムを備えたクロノグラフ海中時計を手掛けるなど腕時計の製造技術において時計の先進国であったスイスに負けない実力がありました。その5年後、息子のリヒャルト・ランゲを共同経営者に迎え、時計技師としての育成に励みました。この時から工房の名称を「A.ランゲ&ゾーネ(アドルフ・ランゲと息子たち)」へと改名しました。アドルフの死後も、彼の意思通り息子や孫たちへ技術が受け継がれていきました。しかし、第二次世界大戦やナチス政権での厳しい環境下で経営が傾き、終戦前夜には空襲により本社が破壊され、さらに、東ドイツ区内にあった工房は国営化されてしまうなど、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の歴史は一度幕を閉じました。
驚異の速さで世界5大ブランドに
世界の状況に惑わされたA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)ですが、再復興から20年足らずで世界5大ブランドにまで上り詰めることになります。4代目経営者、アドルフのひ孫にあたるウォルター・ランゲは、西ドイツへと逃れていました。彼は、ベルリンの壁崩壊で東西統一が果たされると、ようやく故郷へ戻ることが許されました。そして、ウォルター・ランゲは66歳にしてブランドの再興を試みます。満を持して発表された新生A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)のコレクションが、今でもメインモデルとして君臨し続ける「ランゲ1」、「サクソニア」、「トゥールビヨン」、「プール・ル・メリット」、「アーケード」でした。独創的かつ伝統を感じる技術で彩られた文字盤で、人々に強烈な印象を与える最高の復活劇となりました。2001年には、空襲で破壊されてしまった本社の工房が復帰、その14年後には隣接する場所に最新技術を備えた新工場も設立しました。一度途絶えたブランドであったにも関わらず、20年足らずで世界5大ブランドに数えられるほどのメーカーへと成長したA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の、圧倒的なき技術力の高さとデザイン性の高さがうかがえます。
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の特徴
これまでA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の歴史についてご紹介してきましたが、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の腕時計には、ランゲ一族の不屈の精神と真摯な姿勢が反映されていることがわかるでしょう。そんなA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の特徴を3つお話いたします。
一貫したマニュファクチュール体制
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)は、1994年の復興コレクションから現在のコレクションに至るまで、一貫してザクセン州とドレスデンに根差したマニュファクチュール体制をとっています。1864年に開発した「3/4プレート」や、4つのネジで姿勢差を調整できる「チラネジテンプ」を開発し、2003年には自社製のひげゼンマイの製造に着手しました。時計のパーツの中でも特に繊細で製造が極めて難しいとされる、超精密なひげゼンマイを自社製造できる数少ない時計メゾンです。
美しいエングレービング
「エングレービング」とは、銅版に線を掘る技法のこと。A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)はこの技法を文字盤だけではなくムーブメントなどの部品にも施しており、細部にまでブランドのこだわりを感じさせられます。
モデルごとのムーブメント
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の独自性を決定づけるポイントのひとつとして、モデルに対してそれぞれのムーブメントを自社製造しており、新作ムーブメントを搭載してこそ、新作モデルだという思想が根付いているのです。一般的な時計メゾンは他社製のエボーシュをカスタマイズしたムーブメントを制作したり、マニュファクチュールであっても自社製ムーブメントをベースに改良したりすることが多い中、モデルに合わせて毎回ゼロからムーブメントを設計しているほどのこだわりっぷり。さらに、部品は真鍮ではなく洋銀を使用しており、すべてのムーブメントを一度完璧なポジションへと仮組みしてから解体、徹底洗浄し、マイスターが一人で本組みを行うという二段階組み立てで作り上げています。
ビジネスシーンには使える?こんな人におすすめ!
世界5大時計にも数えられるA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)。一般の人では持つことが出来ない超ハイクラスな時計です。ロレックスでも同じくらいの価格のものが存在しますが、より、一目置かれるブランドでしょう。
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の腕時計はこんな人におすすめ!
持っているだけで何の仕事をしているのだろうと、一目置かれるような当ブランドはどのような人におすすめなのでしょうか?
独自のデザイン性とアドルフの「旅の手帳」に記されたブランドバイブルをもとに考案されたデザインはすべて魅力的。その全てが完全オリジナル、かつハイクオリティです。100年以上も前の雰囲気を取り入れつつも現代風にアレンジされたスタイルは、スーツなど紳士的なファッションによく似合います。普段使いはもちろんですが、コレクションやとっておきの一本として時計をお探しの方におすすめです。
ビジネスシーンでは華美すぎる?
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の腕時計はスーツスタイルに似合うとされていますが、なかなかビジネスシーン向きではありません。どんな場面でも、上品でラグジュアリーな存在感を放ってくれることは間違いありませんが、オーラが出すぎてしまうので営業職の方は避けた方がいいかもしれません。
定番やおすすめモデルをご紹介
高級感が際立つ「サクソニア」
ランゲ1と共に1994年リリースされた「サクソニア」はクラシックな名機であり、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の定番ともいえる人気モデルです。バーインデックスでシンプルなデザインのサクソニアの中でも、スモールセコンドを配したサクソニア・フラッハは厚さ5.9mmの極薄ボディで高級感がより際立っているドレスウォッチです。A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の中でも最もミニマルなモデルといっても過言ではないでしょう。
タイムブリッジが特殊な「ツァイトベルク」
ランゲ・ツァイトヴェルクは、デジタル式時刻表示を搭載する初めての機械式腕時計です。時と分が瞬時に切り替わる数字によって表示され、常に明瞭に読み取ることができます。この時計のデザインで特殊なのがタイムブリッジと言われるもの。ムーブメントの一部でもあり、ダイヤルに組み込まれているこの部品は、すべての時刻表示をひとつにまとめる役割も果たしている重要な役割を担っています。
黄金比に基いた美しいデザイン「ランゲ1」
「ランゲ1」のダイヤルは、オフセンターに配置された二つのインダイアルとパワーリザーブ・インジケーター、アウトサイズデイトで構成されており、視認性が高く合理的な造りをしています。シンプルなデザインでありながら機能性も高く、リュウズ操作で秒針を止められるストップセコンドも搭載されています。またクラシカルな雰囲気たっぷりな「ランゲ1」を現代風に一回り大きくした「グランド・ランゲ1」というモデルも存在します。ランゲ1シリーズはそのどれもが黄金比に基いた美しいデザインで、様々なブランドからオマージュされているモデルです。
ステンレス製のラグジュアリースポーツウォッチ「オデュッセウス」
2019年に発表された「オデュッセウス」は、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)初となるステンレススティール製のラグジュアリースポーティーウォッチ。これまで、ブレスレットの製造経験がなかったA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)でしたが、5連のブレスレットはコマの動きがなめらかで、さらには完全に分解することも可能な構造になっており、仕上がりは秀逸なものでした。スポーツシーンでの着用も想定して作られた新設計の耐震機能付きテンプを採用し、120m防水という高い防水性も実現しているモデルです。ケースは丁寧に磨き上げられ、ダイヤルとインダイヤルの周りには、ラグジュアリーウォッチによく見られる、同心円状のアジュラージュ模様が描かれています。
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の中古市場での価値は?
A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)のアンティークは存在するのですが、現在のA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)とは異なる雰囲気のものが多いです。1902年に製造されたグランド・コンプリケーションNo.42500というモデルは、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の中でも有名なアンティークモデルですが、チャイミング機構、ラトラパンテ・クロノグラフ、そして、1秒で針が1回転する仕様のフドロワイヤント、ムーンフェイズ、永久カレンダーなど、夢のような機構がふんだんに搭載され、A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)史上最も複雑なムーブメントだとも言われています。このような複雑な造りのものが、100年以上も前に作られていたというのは驚きですよね。
中古市場での価値は?
ロレックスやパテックフィリップのように、購入後飛びぬけて価値が上がるような腕時計ではありません。しかし、唯一無二の技術力を持つA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)は、いつの時代も需要があり、資産としても優秀な存在ではあります。中古市場では、定価より高値がついているモデルもあれば、少し落ちてしまっているモデルも存在しており、その中でもダトグラフは中古相場が大幅に変化しているモデルのひとつです。
スーパーコピーにも気を付けて
高級時計であればあるほど、模倣品は出回っています。A.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)の名前を刻印したスーパーコピーはもちろん、全く別の名前を記した、模倣品もあるので、相場よりも格段に安かったり、入手先が不明確な中古品には注意が必要です。
偽物を購入してしまわないためにも、なるべく正規店や鑑定機関のある中古店で購入するようにしましょう。
信頼のおける販売店を見抜く方法
安かったら信頼がなく、高ければ安心と思いがちですが、それは間違い。中古市場となると、販売価格は状態や希少性によってぴんきりなので価格で選ぶのは避けましょう。
・入手先が不明
・偽物と断言できない怪しいものまで買い取る
・商品の欠陥点を教えてくれない
上記のように、本物か曖昧な商品を買取しているショップでは、意図せず偽物の商品が並んでいる可能性もあるので注意が必要です。このように、偽物の商品を買ってしまうことを避けるには、商品知識が豊富な方が買取りを行っている店舗で購入することが一番おすすめです。
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持つ人に自信と情熱を与えるハイクラスな腕時計
創立当初から時計への強い探求心のもと、技術を磨き上げてきたA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)。ハイクオリティなのはもちろんのこと、デザイン面でも抜きん出るものはなかなかいないブランドです。そんなA.LANGE&SOHNE(A.ランゲ&ゾーネ)を語るうえで切っても切れないのが、壮絶な歴史。ドイツという激戦区の中で過去の対戦や政治の影響を受けながらも、絶えしのぎ世界のトップブランドとまでなった当ブランドの、時計への情熱が詰まった作品の数々は、時計愛好家たちをうならせるものばかり。持つ人に自信と情熱を与えるハイクラスな腕時計をあなたも探してみませんか?