ロレックスの増産によって品薄は解消される?新工場設立による増産の噂や生産拠点について解説
ロレックスの腕時計は、世界での需要増加により手に入りにくい状況が続いています。ロレックスが新たな生産拠点を設立するという情報が2022年に報じられて以来、増産されるのではと期待している方も多いようです。本記事は、ロレックスの増産計画の真偽と世界的な品薄について紹介します。
ロレックスは世界的な品薄により、価格高騰が続いている
ロレックスは、その優れた品質と信頼性で愛される高級腕時計ブランドですが、購入したくてもなかなか入手できないという状況が続いています。その原因は多岐にわたりますが、新型コロナウイルスの影響による工場の稼働停止や転売目的の購入なども大きな要因として考えられます。
ロレックスの生産数自体は決して少なくはないものの、増加する需要に供給が追いついていないというのが現状です。また、「ロレックスマラソン」と呼ばれる現象が起きるほど正規販売店における入荷が少なく、特に人気モデルは正規店での購入が年々難しくなっており、市場価格が急上昇しています。
ロレックスが増産に消極的な理由
世界的な品薄や価格高騰によりユーザーから増産が求められているロレックスですが、高品質な機械式時計は量産が難しく、簡単には増産できないというのが実情です。無理な増産はブランドの品質や信頼性を損なってしまう恐れもあるため、質の高い時計作りに専念しているロレックスにおいてはなおさら難しいといえるでしょう。
新工場の設立でロレックスが増産されるとの噂も
2022年11月下旬、スイスの公共テレビ局により「ロレックスがスイス・フリブール州ビュールの工業地帯に新しい生産拠点を設立する」ということが報じられました。新工場は約10億スイスフラン(約10億ドル)の投資で建設され、2029年の操業開始が予定されているようです。巨大な投資と新工場設立はロレックスにとって大きな一歩であり、2,000人の雇用創出が見込まれると言われています。
ベルンとジュネーブ湖の間に位置するビュールはスイスの中心部にあり、多くの有能な労働者を確保できる可能性が高いと期待されています。ロレックスは年間約100万個の時計を生産していますが、生産量では世界的な需要に追いついていない状況です。
海外メディアの間では、新工場設立によってロレックスの時計生産が25〜30%増加するのではという噂があるようですが、この情報の出所や信憑性は確認されておらず、ロレックスからも公式の発表はありません。
スイス国内にあるロレックスの生産拠点を紹介
ロレックスの精密な時計作りは、スイス内に点在する4つの主要工場によって支えられています。
レ・アカシア
ロレックスの本社がある「レ・アカシア工場」には、マネジメント部門や研究開発部門などのさまざま部門が集約されており、ほかの拠点で製造された部品の最終組立や品質管理、各国のアフターサービスなども統括しています。敷地面積約16万平方メートルの広大な工場は、グリーンのファサードが特徴的な本社メイン棟と製造部門を擁する黒いガラス張りの棟で構成されています。
ロレックスの優れた品質は厳しい検査体制によって支えられており、2015年に導入された「ロレックス高精度クロノメーター」認定基準では一連の性能検査を33時間かけて完了するなど、その精度と品質管理は極めて高い水準にあると言えるでしょう。
プラン・レ・ワット
ジュネーブ郊外に位置する「プラン・レ・ワット工場」は最大規模の製造拠点で、ロレックスのケースやブレスレットの開発・製造が行われています。原材料の加工から完成部品の研磨までを内包しており、工場内にある自社の鋳造所で3種類の18金ゴールドと904Lステンレススチールを製造しています。
全長1.5kmに及ぶレールが敷かれた巨大な部品保管庫や耐荷重5トンのエレベーターなど、最新技術を駆使した施設で部品の出し入れは完全自動化。工場では熟練の職人が時計の手仕上げを行うなど、製造工程の自社完結の姿勢を象徴しています。
シェーン・ブール
ジュネーブ近郊の「シェーン・ブール工場」は、ダイヤルやベゼルの製造、宝石の鑑定、セッティングを専門としています。時計の文字盤は真鍮やゴールド、天然素材から作られており、60以上の工程を経て完成されます。ロレックスが使用する宝石は最高品質のみで、セッティングには精密な技術が欠かせません。また、ベゼルには特殊なセラミック材料が使用されており、傷に強く色あせしにくいという特性があります。
ビエンヌ
スイスの時計製造の中心地、ジュラ山脈の麓に位置する「ビエンヌ工場」には「マニュファクチュール・デ・モントル・ロレックスS.A.」があります。敷地面積は約13万5000平方メートルで、約2,000人の従業員がムーブメントの製造と組立に従事しています。ムーブメントを構成する部品は約200〜400個に及び、その組み立てと調整は熟練の職人による手作業で行われています。
新工場設立によってロレックスが増産されるかどうかは不明
ロレックスが新工場を設立して生産量を25〜30%増加させるという噂が流れていますが、この情報はロレックスから公式に発表されたものではありません。一部では新工場の設立が必ずしも大幅な生産増加につながるわけではないといった声もあり、ブランドイメージや希少性を保つために大規模な増産を行うことは考えづらいとする意見もあるようです。
ロレックスの品薄状態は今後も続くことが想定されますが、中古市場であれば生産終了になったモデルにも出会えるかもしれません。ALLU(アリュー)は日本国内でオンラインショップと実店舗を展開している中古ブランドショップで、ハイブランドのリユース品を豊富に取り扱っています。オンラインショップで気になった商品を実店舗に取り寄せて実物を確かめることもできるので、ロレックスをお探しの方はぜひ利用してみてください。