ロレックスGMTマスターの「ペプシ」とは?素材の変遷や歴代モデルについても解説
ロレックスの「GMTマスター」には、レッドとブルーのベゼルが特徴的な「ペプシ」と呼ばれるモデルがあります。なかでも、アルミニウム製のベゼルを採用していた2000年以前のモデルは経年劣化による退色がコレクターから評価されており、希少性も高くなっています。本記事では「ペプシ」として親しまれている「GMTマスター」の特徴や魅力、歴代モデルについて紹介します。
ロレックスのGMTマスターとは?
ロレックスの「GMTマスター」は、1954年に発売された航空パイロット向けのモデルです。長距離の飛行が多くなっていた当時のパイロットは、複数のタイムゾーンを一目で把握できる腕時計を求めていました。ロレックスはそのようなニーズに応えるため、24時間表示針と回転ベゼルの両方を備えた「GMTマスター」を開発し、最大で2つのタイムゾーンを表示することが可能になりました。
さらに、1983年には時針が単独で動く後継モデル「GMTマスターⅡ」が登場します。初代「GMTマスター」の特徴的なデザインを継承しつつ、新たな素材の採用やバリエーションの増加などでさらなる進化を遂げました。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」はブルーとレッドのベゼルが特徴
ベゼルの上半分がブルーで下半分がレッドの「GMTマスター」は、その個性的な配色が「ペプシコーラ」のロゴカラーに似ていることから「ペプシ」という愛称が付けられています。この配色は単なるデザインではなく、夜間や暗い時間帯をブルー、昼間や明るい時間帯をレッドにすることで昼夜を区別しやすくするという実用的な側面もあります。さらに、コントラストの強い配色によって視認性も向上しており、パイロットが瞬時に時間を確認できるよう配慮されています。
GMTマスターはベゼルのカラーリングによって様々な愛称がある
「GMTマスター」はベゼルのカラーごとに様々な愛称が存在します。ロレックスファンの間で特に有名な愛称は以下の通りです。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」は時期によってベゼルの素材が異なる
「GMTマスター」はこれまで様々な配色のベゼルを採用してきましたが、製造時期やベゼルのカラーによって使用されている素材が異なっています。ここでは「ペプシ」のベゼルに使用されてきた素材の変遷について紹介します。
アルミニウム:1957年ごろから使用され、紫外線の影響により退色してしまう
1957年ごろ、ロレックスは「ペプシ」などのベゼルにアルミニウムを採用しました。軽量で加工しやすいアルミニウムは鮮やかな色彩が表現できる一方で、紫外線の影響により退色してしまうというデメリットがありました。そのため、初期の「ペプシ」のなかには長期間の使用や日光への露出によってレッドとブルーが色褪せた個体が存在します。
レッド部分が紫色に退色したバイオレットベゼルもある
ベゼルのレッド部分の退色が進み、紫っぽい色味にまで変化したモデルは「バイオレットベゼル」と呼ばれています。すべてのアルミニウム製のベゼルがこのように退色するわけではなく、「バイオレットベゼル」はその希少性と美しさから通常の退色ベゼルよりも高値で取引されることも少なくありません。
セラクロム:2007年ごろから現在まで使用されている素材で、経年劣化による変色がない
2007年、ロレックスは「GMTマスターⅡ」に初めてセラクロムを採用しました。セラクロムはロレックスが独自開発したセラミック素材であり、紫外線や化学物質、摩擦に対して強いという特徴があります。アルミニウムベゼルの課題であった退色や脆さなどの克服を目指して開発されたもので、長期間使用しても色あせしたり、傷ついたりしにくくなっています。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」はジュビリーブレスのほうが高値で取引されやすい
ジュビリーブレスレットは元々、「デイトジャスト」のために開発された5連リンク構造のブレスレットです。中央3連を鏡面仕上げ、両サイドをヘアライン仕上げにすることでシンプルでありながらラグジュアリーな印象を与えてくれます。
「GTMマスター」にはオイスターブレスとジュビリーブレスの2種類があり、ジュビリーブレスのほうがよりドレッシーな雰囲気に仕上がっています。ロレックスのスポーツモデルにおいてはオイスターブレスレットが主流であるため、スポーツモデルとジュビリーブレスの組み合わせは特に重宝されており、「ペプシ」の場合もジュビリーブレスレットのほうが高値になりやすい傾向があります。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」の歴代モデルを紹介
1950年代から生産されている「ペプシ」シリーズは、デザインや機能性を中心に何度もアップデートが行われてきました。ここでは、「ペプシ」の歴代モデルの特徴や魅力について紹介します。
ロレックス GMTマスターⅠ Ref.1675
「Ref.1675」は、1959年から約20年間にわたって製造された初代「GMTマスターⅠ」の後継モデルです。クラウンガードや読みやすい文字盤デザインなど、従来モデルに比べて実用性が大きく向上しました。アルミニウム製のベゼルが退色して独特の風合いに仕上がっている個体も多く、ヴィンテージロレックスファンからも高い評価を得ています。
ロレックス GMTマスターⅠ Ref.16700
「Ref.16700」は1988年ごろから2000年ごろまで製造されており、「GMTマスターⅠ」の最後のモデルとなっています。風防はプラスチックからサファイアクリスタルに変わり、ムーブメントには「Cal.3175」を採用。また、1995年ごろにはバックルがシングルロックからダブルロックに変更されています。
ロレックス GMTマスターⅡ Ref.16710
「Ref.16710」は、1988年ごろから2007年ごろまで製造された「GMTマスターⅡ」の象徴的なモデルです。独立して調整できる時針を備え、3つのタイムゾーンの時刻を表示できるようになっています。新たな素材の採用や製造技術の向上により「GMTマスターⅡ」で初めてブルーとレッドのベゼルが登場しました。
ロレックス GMTマスターⅡ Ref.116719BLRO
「Ref.116719BLRO」は18Kホワイトゴールド製の「GMTマスターⅡ」で、2014年に発表されました。高性能セラミック素材であるセラクロムのカラーベゼルを採用しているのが特徴で、耐傷性や耐褪色性が高いため長期にわたって美しい外観が楽しめるようになっています。ホワイトゴールドとの組み合わせにより、スポーツモデルでありながらエレガントな雰囲気も感じられるモデルです。
ロレックス GMTマスターⅡ Ref.126710BLRO
「Ref.126710BLR」は、2018年に登場したステンレススチール製の「GMTマスターⅡ」です。次世代ムーブメントの「Cal.3285」を搭載し、パワーリザーブは従来の48時間から70時間に延長されるなど、性能面で大きな進化を遂げました。
ロレックス GMTマスターⅡ Ref.126719BLRO
「Ref.126719BLRO」は、18Kホワイトゴールドを使用した「GMTマスターⅡ」の現行モデルです(2024年10月現在)。独特の模様と輝きを放つ「メテオライト文字盤」には「ギベオン隕石」と呼ばれる天然鉱物が使われており、現行の「GMTマスターⅡ」のなかで圧倒的な存在感を放つ希少性の高いモデルとなっています。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」をALLUで探す
「GMTマスター」の「ペプシ」について紹介してきましたが、実物を直接見てみたいと思った方もいるかもしれません。中古ブランドショップのALLU(アリュー)ではロレックスの人気モデルを数多く取り扱っており、「ペプシ」はもちろん「バットマン」や「コーク」が入荷することも珍しくありません。オンラインショップで気になった商品を実店舗に取り寄せ、実物を確認してから購入することもできるため、「ペプシ」をお探しの場合にはぜひALLU(アリュー)を利用してみてください。
ロレックスGMTマスターの「ペプシ」は、劣化によるベゼルの退色も楽しめる
「GMTマスター」の人気モデルのひとつである「ペプシ」は、ブルーとレッドの2色ベゼルがペプシコーラを想起させるデザインであったことから「ペプシ」という愛称で親しまれるようになりました。ベゼルにアルミニウムが使用されていた初期個体のなかには紫外線などの影響により色褪せているものもあり、きれいに退色した個体が高値で取り引きされることも少なくありません。セラクロムを使用している現行モデルが退色する可能性は低いため、退色した個体が気になる場合には中古市場をチェックしてみると良いでしょう。