2024.07.31

ロレックスの自動巻き時計の仕組みや特徴は?遅れるときの対処法や巻き方も紹介

ロレックスの自動巻き時計

ロレックスの現行モデルはすべて自動巻きになっていますが、どのような仕組みになっているのかを理解している方は少ないかもしれません。装着しているだけでゼンマイが巻き上がる仕組みでリューズを巻く手間はないものの、使い方次第では止まってしまうこともあります。本記事では、ロレックスの自動巻き時計の仕組みや巻き方、不具合が起きた時の対処法について解説します。

腕時計は、自動巻き・手巻き・クォーツの3種類

腕時計は、自動巻き・手巻き・クォーツの3種類

腕時計は、昔ながらの手法でゼンマイを使った機械式と電池を原動力とするクォーツ式の2種類に大別され、機械式はさらに自動巻き式と手巻き式の2種類に分かれます。ここでは、それぞれの仕組みと特徴について紹介します。

自動巻き時計は腕の動きによってゼンマイが自動で巻き上がる

機械式の自動巻き時計は「オートマチック」とも呼ばれていますが、腕の動きでローターが自動で回転してゼンマイが巻き上がる仕組みです。時計の心臓部分とされるムーブメントの裏側に半月形のローターを搭載することで、腕を動かしたときの振動が伝わって回転し始めます。ローターが回転し始めると同時に脱進機と調速機が動き、ゼンマイを巻き上げて時間を調整します。機械式のムーブメントは、ゼンマイを巻き戻すだけの動力を搭載しているため電池を使用する必要はありません。

自動巻き時計はどのくらいで止まる?

モデルによって個体差はあるものの、時計に全く触れない状態が2〜3日続くと針が止まってしまう可能性は高くなります。腕時計の装着時間が短かったり、装着していても腕を動かさなかったりすれば、2〜3日より早く止まってしまうこともあるでしょう。

手巻き時計はリューズを回してゼンマイを手動で巻き上げる

機械式の手巻き時計は、腕時計の横についているリューズ(つまみ)を回してゼンマイを巻き上げます。時間が経ってゼンマイが緩むと針が止まってしまうため、定期的にゼンマイを巻き上げる必要があります。ムーブメントにはローターが搭載されておらず、スリムなデザインになっているため、自動巻きよりも軽い着け心地となっています。

クォーツ時計は電池が動力で、水晶振動子によって時計が動く

クォーツ時計には電池が搭載されており、電気エネルギーで水晶(クォーツ)を振動させて時計の針を動かす仕組みです。ゼンマイを使った機械式と比べて時間の正確さに優れており、一般的には月差20秒前後と言われています。なかには年差10秒前後の高性能モデルもあり、時間調整の手間がないのはクォーツ時計の最大のメリットと言えるでしょう。一方で、機械構造がシンプルなために複雑性や芸術性に欠け、資産価値がつきにくいという側面もあります。

ロレックスの自動巻き時計の仕組みや特徴は?

ロレックスの自動巻き時計の仕組みや特徴は?

ロレックスの自動巻き時計の特徴は「ブルーパラクロムヒゲゼンマイ」と呼ばれる、ロレックスが独自開発したゼンマイを搭載している点です。多くの時計メーカーがゼンマイの製造を外注しているなかロレックスはすべて自社で製造しており、「Cal.3186」以降に発表されたムーブメントを中心に採用されています。

名前のとおり、ブルーの外観が印象的で芸術性の観点からも評価されています。さらに、一般的なゼンマイと比べて10倍の衝撃に耐えられる耐久性の高さも魅力のひとつでしょう。

ロレックスの自動巻き時計の歴史は?

ロレックスの自動巻き時計の歴史は?

懐中時計が主流であった時代から、ロレックスは腕時計の汎用性の高さに注目して研究開発に取り組んできました。どのような企業努力を経て世界トップクラスの時計メーカーになったのか、自動巻き時計の歴史について解説します。

1931年、世界で初めて「全回転式ローター」を開発

1900年代初め、懐中時計が主流であった時代にロレックスは汎用性の高い腕時計の開発に注力し始めます。1926年には世界初の防水腕時計「オイスター」を発表しますが、リューズを誤操作して時計が壊れるというケースが数多く報告されました。そこで、リューズを回さずにゼンマイを巻き上げられる腕時計を作ろうとしたのが自動巻き時計の始まりです。

1931年、ロレックスは世界で初めてリューズを回さずにゼンマイを自動で巻き上げる「全回転式ローター」を開発しました。さらに、この自動巻き機能を備えたムーブメント「パーペチュアル」を発表し、耐久性の向上にも成功します。

裏蓋が丸みを帯びた「バブルバック」も人気に

ムーブメントにパーツがたくさん組み込まれて分厚くなったため、ケースの裏蓋に丸みを加えたりケース径を広げたりしてデザイン性にも大きな変化が加えられました。そのような時期に登場した「バブルバック」「ビッグバブルバック」と呼ばれる腕時計は希少性が高く、世界中のコレクターを魅了する個体となっています。

1950年代、「両方向巻き上げ式」の登場で、巻き上げ効率が大幅アップ

1950年、ロレックスはどの方向からもゼンマイが巻き上がる「両方巻き上げ方式」を開発します。この方式を採用した「Cal.1030」より以前は片方からしかゼンマイを巻き上げられなかったため、効率の悪さが指摘されていました。しかし、この「両方向巻き上げ式」の開発により自動巻きの使いやすさが劇的に向上し、さらに注目を浴びるようになりました。

現行モデルにはすべて自動巻きが採用され、手巻き式とクォーツ式は生産終了

現在のロレックスは機械式の自動巻きモデルのみ生産しています。手巻きモデルは1980年代まで、クォーツ式モデルは1977〜2000年ごろまで生産していたものの、現在はすべて生産終了となっています。そのため、手巻きモデルやクォーツ式モデルは希少性が高く、高値で取引されているモデルもあります。

ロレックスの自動巻き時計の巻き方は?

ロレックスの自動巻き時計の巻き方は?

ロレックスを初めて使うときはもちろん、カレンダーや時刻を合わせたいときにもゼンマイの巻き上げが必要です。

ロレックスの自動巻き時計のゼンマイを巻くには、まずパーツの一部が飛び出るまでリューズを下に回します。飛び出した部分を持って30〜40回ほど時計回りに回し、飛び出たパーツをもとに戻したら完了です。反時計回り(6時方向)に回そうとしてもゼンマイは巻き上がらないようになっているため、誤って反時計回りに回してしまう心配はないでしょう。

ロレックスの自動巻き時計を使用するうえでの注意点は?

ロレックスの自動巻き時計を使用するうえでの注意点は?

自動巻き時計は手巻き時計と比べて手間のかからない設計になっていますが、いくつかの注意点があります。ここでは、自動巻き時計を使用するうえで気を付けるべきポイントを解説します。

ゼンマイを巻き上げすぎるとパーツが破損する恐れがある

ゼンマイを巻きすぎるとパーツの一部が切れてしまうため、必要な分だけを巻き上げるのが基本です。巻き上げられる範囲を超えるとリューズが巻きにくくなるため、その時点で巻き上げるのを止めましょう。また、1日に何度もゼンマイを巻くとパーツへの負担が大きくなるため、できる限り装着する頻度や時間を増やして使うのがベストです。

ロレックスには過度な巻き上げを防止する機能が搭載

ロレックスの自動巻きモデルは過度な巻き上げを防止する仕組みとなっており、ゼンマイの巻き具合がわからなくても力尽くで巻き上げてしまうことはないでしょう。ただし、防止する機能が付いているとはいえ、無理に巻き上げようとするとリューズの破損につながるため、巻き上げは慎重に行うようにしてください。

時間合わせの際は、時計回りに動かして調整する

自動巻き時計で時刻合わせをするときは、必ず時計回り(右回り)に動かすようにしましょう。反時計回り(左回り)に動かそうとすると故障してしまう恐れがあり、特にアンティークロレックスは耐久性が低下している可能性もあるため注意が必要です。

20時~翌4時の間に調整するのはNG

ロレックスの時計の時刻を調節するときは、日付変更禁止時間である20時頃〜翌4時頃を避けて操作するようにしましょう。この時間帯は、日付や時刻の表示を変えるためにムーブメントの内部で繊細な調整が行われている時間です。この時間帯に外から強制的に動かされるとムーブメントに過度な負担がかかり、不具合の原因にもなりかねません。

3年~5年を目安にオーバーホールを行う

ロレックスの時計をできるだけ長く愛用するためには、3〜5年に1回のペースでオーバーホールを行うのが理想的です。オーバーホールとはムーブメントを解体して各パーツの調整・必要に応じて交換をする作業であり、ロレックスの正規サポートや専門業者で対応してくれます。

自動巻き時計が遅れる、動かないときの原因と対処法は?

自動巻き時計が遅れる、動かないときの原因と対処法は?

ロレックスの自動巻き時計は腕の振動でゼンマイが巻き上がる仕組みとなっていますが、不具合が起きることもゼロではありません。ここでは、時間が遅れたり止まったりしたときの原因と対処法について解説します。

ゼンマイの巻き上げが十分でない

腕時計を使わない日が長く続いてしまうとゼンマイの巻き上げが足りず、時間が遅れたり止まったりすることがあります。毎日装着して使っていれば自動で巻き上がりますが、数日間使用しなかったり装着時間が短かったりすると巻き上げ不足が起こります。巻き上げ不足が原因であれば、リューズを20〜30回ほど手動で巻き上げるだけで時間のズレや不具合は解消されるでしょう。

ゼンマイが破損し、正常に動作していない

ゼンマイには「巻き止まり」と呼ばれる巻き上げの限界範囲があるため、それを超えると「ゼンマイ切れ」を起こして故障してしまいます。時計を軽く振ったときに、秒針が数秒進んで数秒戻る現象が起きたらゼンマイ切れの可能性があります。ゼンマイは消耗品でもあるため、ロレックスに問い合わせて交換や修理の依頼をすると良いでしょう。

経年劣化などにより、潤滑油が乾いている

ムーブメントの潤滑油が劣化、油切れになると自動巻きが機能しなくなることもあります。極端に気温の低い場所で保管したり、長期的に放置したりすると潤滑油は乾きやすくなります。完全に油が切れると交換が必要になってしまうため、定期的にオーバーホールをして内部パーツの洗浄や交換を行うようにしましょう。

外部からの衝撃で歯車が損傷している

自動巻きのムーブメントは精巧なため、歯車の小さな部分がわずかに破損するだけでも異常につながってしまいます。時計に強い衝撃が加わったあとに針の動きが鈍くなったら、なるべく早めに内部を確認してもらいましょう。

水分やほこりなどが侵入し、動作の邪魔になっている

自動巻き時計に使われている歯車の隙間は0.1mm単位で、ほとんどが金属パーツで構成されています。誤って水没させたり、着用したままお風呂やプールに入ってしまうと故障につながることもあります。また、水だけではなく小さなほこりやごみが細部から侵入すると取り除くのが難しく、放置してしまうと動作に悪影響を及ぼしかねません。水や汚れが原因で動作が鈍くなったと感じる場合は、店舗に持ち込んで状態をチェックしてもらうと良いでしょう。

磁気を発する機器の影響で磁気を帯びている

ムーブメントに使われているパーツの多くは磁気を帯びやすい性質のため、磁気を含むものの近くに置いてしまうと不具合の原因になります。スマートフォンやパソコン、スピーカーなどの磁気を発する機器は現代人には欠かせませんが、できるだけ時計から遠ざけるように意識しておきましょう。不具合が小さければ磁気から離すだけで解決しますが、ムーブメントに影響が出ている状態であれば磁気を取る修理を行う必要があるでしょう。

ロレックスの自動巻き時計は手動式よりも精度が高いが、定期的なメンテナンスは必須

ロレックスの自動巻き時計は長い年月をかけて開発され、改良を加えながら現在に至っています。自動巻き時計はリューズを操作しなくてもゼンマイが巻き上がりますが、定期的なメンテナンスを怠ってしまえば故障につながることもあります。まずは保管方法や衝撃に注意をし、不具合があれば早急にロレックスの正規サポート、もしくは時計専門の修理業者に相談するようにしましょう。

中古ブランドショップのALLU(アリュー)では、ロレックスの自動巻き時計はもちろん、手巻き時計やクォーツ時計が入荷されることもあります。オンラインショップの商品を実店舗に取り寄せて状態を確認することもできるため、ロレックスをお探しの方はぜひALLU(アリュー)を利用してみてください。

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